人種差別について

Racism Today

アメリカ合衆国には多種多様な人種が住んでいます。

その歴史の中には人種差別があって、今でも色濃く残っている部分もあります。

観光や短期の滞在などでは気づかなかった部分が、長期のアメリカ生活で見えてくる事もあります。

私が社会学のクラスを大学で取った時に人種差別には5段階あると聞いて、なるほどな、と思った事があります。全く差別をしない人から 目に見えた違法である人種差別(ヘイトクライムなど)をする人までと、その間のグレーな人種差別がある、という段階分けなのですが、人によって度合いが違うという事です。

中間的な度合いは、例えば、一般生活では全然差別などせず人種の違う友達も多いのに、自分の娘や息子が異人種の婚約者を連れてきた時に大反対したり、差別的に扱ったり、 職場で異人種の人が自分より昇進したり、自分のボスの立場になった時なんかに差別的な態度を取ってしまうなど、実際に自分が深く関わる事になって発生する差別があります。

あからさまな人種差別、例えば宿泊や飲食を拒否した、などの時は裁判沙汰などになる事がしばしばですが、レストランなどで空席があるにも関わらず あまりいい席ではない方に座らせる、注文した後なかなか料理がこない、人種別に席のエリアを分けて座らせられている(これは南部で実際に見た事があります) など、気づかない人は気づかないような差別もあります。

手
    

Racial Profiling (人種によるプロファイリング)と言うものがあります。例えば、人種によって、何の違反もしていないのにパトカーに止められたりする時があります。 職質され、ライセンスをチェックされ、車の中まで捜査されたりする事があります。ある人種の犯罪率が高い、(もしくは、人種の偏ったエリアでは、目立つから) などの理由があるのでしょうが、何の違反もしていない人を必要に捜査して逆にその人種の犯罪率を上げてる行為の様にも見えます。

     

仕事においては、”glass ceiling”(見えない天井)という表現が用いられる事がありますが、黒人、アジア人、ヒスパニックなどの有色人種よりも 白人の方が出世が早い、など職場の環境での差別も存在します。余りに顕著に行われている企業では、裁判が起こる事もあります。

     

数年前、”就職に置ける差別”を独自調査したニュース番組で、同じ学歴職歴の履歴書を多数の企業に送ってみた所、見るからにアメリカ人の名前(例えば ジョン スミス、ジェーン ジョンソンなど)の方がヒスパニック、アジア人、などのラストネームより面接に呼ばれる事が多かった、という調査結果を出していました。

ヘイトクライムと呼ばれる、人種が理由の殺人や暴行などの事件よりも、こういうあまり表立って見えない部分の差別の方が現在では多いのです。

また、人種差別は地域性なども影響するので、多種多様の人種が住む大都市より人種の偏りが顕著な田舎のほうが肌に感じられる事が多いようです。


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